京都
京都最南端のマイクロブルワリー「ことことビール」
京都の最南端に位置する木津川市で初となるクラフトビール醸造所「ことことビール」。こだわりや想いがたくさん詰まったことことビールを代表である板東さんにインタビューしました。
京都の最南端に位置する木津川市で初となるクラフトビール醸造所「ことことビール」が2021年3月に設立されました。 「ビールの醸造工程にある煮沸のコトコト煮る様子や、KYOTOの綴りをイメージさせるKOTOもネーミングの由来になっています。」と教えてくれたのは、ことことビールの代表である板東さん。また、京都府と奈良県の県境にあるということから、2つの「古都」を合わせた「ことこと」というかわいいネーミングは生まれたそう。
日本酒造りから学んだ水のこだわり
木津川市といえば、3月下旬から4月上旬にかけて満開の桜並木が満喫できる「ふれあい広場」や、川遊びや森林散策などが楽しめる「山城町森林公園」など、自然あふれる土地。そんな自然いっぱいの場所に流れる木津川の水で作られるビールはどんな特徴があるのでしょうか。
普段、スーパーやコンビニでよくみかけるビールのほとんどが約90%以上の水分でできているのは知っていますか?美味しいビールを作るために必要不可欠といっても過言ではない水。かつて日本酒造りに携わっていた板東さんだからこそ、水にはこだわりがあります。
一般的に日本の水は軟水が多いですが、ことことビールに使われている木津川市の水の性質は中程度の硬水。「硬水だとミネラルを多く含んでいてビール造りには向いていないと言われていますが、中程度の硬水だとビールの雑味や臭みを除去してくれる作用があります。」と板東さんが教えてくれました。そんなことことビールのビールは、料理を引き立てる食中酒として、誰でも親しみやすいビールを目指されています。
ほぼ1日かかったビール醸造。妥協せずにこだわったファーストバッチ
板東さんが最初に醸造したビール「THE FIRST MAKE」。ことことビールが初めて行った醸造は、朝から仕込みを開始して終えたのはなんと翌朝4時半!ほぼ1日かけて醸造したビールは、チェコのピルゼン地方が発祥とするラガービールである、ピルスナーというスタイルでした。「ことことビールでしか出せない味を。」という想いで作られた「THE FIRST MAKE」は、いかに麦汁にストレスをかけず、醸造の各工程を行っていくことに苦戦しながらも、麦汁本来の味を贅沢に体感できるビールになりました。こちらのビールは普段、家庭で使っているビールグラスではなく、より一層香りが引き立つワイングラスで飲むのも、THE FIRST MAKEの楽しみ方のひとつ。
現在では、初めての醸造から板東さんが大切にしている”一切妥協せず丁寧に仕上げること”をもとに、定番商品の「GO! GO! ヴァイツェン」「漆黒のスタウト」「黄金色になれ!ピルスナー」「圧倒的ホップ IPA」の4液種をはじめ、様々なビールスタイルにもチェレンジしてます。「味は真面目に。デザインやネーミングなどは遊び心を持たせています。」と坂東さん。ユーモアたっぷりのネーミングは、どんな味わいなのか、わくわくしてしまいます。
駅から徒歩1分。毎週末に開催されるタップルーム。
JR棚倉駅から徒歩1分の沿線添いにあることことビールは、毎週末にタップルームを開催。出来立てのビールを生で飲むことができます。
“お酒を飲まない方やお子様を連れた家族連れでも楽しめるように”というコンセプトで作られたタップルームは、ビールの他にもコーラやオレンジジュースなどのソフトドリンクもあり、お菓子やおつまみと一緒に楽しめます。時々、屋外ではペットを連れてくる方も!
「ことことビールではそれぞれのビールに合わせた食事のペアリングもご提案いたしますが、自分自身で色々試して新しい発見を見つけていくのも楽しいと思います。」と板東さん。
板東さんのこだわりや想いがたくさん詰まったことことビールに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。