静岡
日本初!ペルー産キヌアを使ったクラフトビール「GARCIA BREWING」
清水区三保に、南米ペルー出身の兄弟、ジャンさんとフレディさんが営むビール醸造所があります。その名も「GARCIA BREWING」。ペルー出身のフレディさんが、どのような思いから、ビール醸造をはじめたのでしょうか。
静岡県の中央部、静岡市の東端にある清水区は、天然の良港である清水港の発展とともに賑わい、また東海道の宿場町として発展してきました。そんな、清水区にある三保半島は、海岸の約5kmにわたり約3万本の松林が続いています。この松林は、「三保松原」と呼ばれ、その美しさから日本三大松原の一つに選ばれています。海岸の松原越しに見える富士山を一望でき、地元の方や観光名所として多くの方々から親しまれています。
そんな清水区三保に、南米ペルー出身の兄弟、ジャンさんとフレディさんが営むビール醸造所があります。その名も「GARCIA BREWING」。
ロゴには、故郷ペルーの代表遺産物「マチュピチュ」と、ビール造りには欠かせない「麦」や栄養成分の高いスーパーフードでもある「キヌア」が描かれています。
ペルー出身のフレディさんが、どのような思いから、ビール醸造をはじめたのでしょうか。
12年の年月を経て、実現した夢のファーストバッチ
クラフトビール造りを始めたきっかけは、沼津市にあるタップルーム「ベアードビール」で飲んだエールビールとの出会い。「色、香り、味の個性に衝撃を受け、すごく美味しかったんです!自分の色が出せるビールを作りたいと思うようになりました。」とフレディさんは熱く語ります。
2010年には、ビールの醸造を学ぶために、母国ペルーの醸造所で研修を積んだのち、日本へ再来日。工場勤務や大工の仕事をしながら、資金を貯め、少しずつ醸造用の機器を買い揃えていき、醸造免許取得に向けて準備を進めていきました。2016年にはビアバー「FIESTA GARCIA」をオープン。静岡市内で手作りのチーズやペルー料理とビールを出すビアバーとして営業を開始しました。そして、ついに2019年には発泡酒製造を取得!自社のチーズ工房に隣接した小さなブルワリーで念願のビール醸造ができました。
「やると決めたからにはやる、いつか必ず叶う」という信念を抱き続け、努力を惜しまずビール醸造に向き合った結果、12年の年月を経て、夢を実現しました!
栄養豊富な「キヌア」を使ったこだわりのクラフトビール
GARCIA BREWINGは、すべての商品に、ペルー原産の「キヌア」を使用しています。スーパーフードと言われる栄養成分の高いキヌアを使用することで出る、コクや、フルーティーな香りと独特な甘みが特徴です。
代表作である「インカ帝国IPA」のコンセプトは、苦味が強いビールスタイル「IPA」でも飽きずに何杯でも飲めるようなドリンカブルなIPAを目指しています。IPA特有の苦味の中に、鼻から通るホップの爽やかな香りや、トロピカルフルーツ、パッションフルーツの甘い香りも楽しむことができます。
「IPAは、作り方や使用するホップにより、作り手が出す味わいや好みを感じることができます。」と、フレディさんもおすすめのビールスタイルです。
夕日を眺めているリャマのパッケージが印象的な「BUENAVISTA日本平」は、イギリス発祥の上面発酵ビールスタイル「British Pale Ale」。
モルトの豊かな香りが漂い、口当たりが柔らかく、苦みのなかにほんのり甘さが伝わります。
ビール名にある「BUENAVISTA(ブエナビスタ)」は、スペイン語で「いい景色」という言葉。ビールが日本平の景色のように濁りがなく透き通っていることから名付けられました。
静岡県の企業とのコラボレーション商品で恩返しを
クラフトビールを通し、地域を盛り上げたいという思いで、静岡県の産物を使用し、静岡県の企業とコラボレーションをした商品も展開しています。
ビールの「ラベル」には、主に静岡の風景・風物詩を描き、そこに、ビールカラーを混ぜ込んでいます。ラベルには、静岡を少しでも知ってもらえればという願いを込めているそう。
母国ペルーの家畜として多く飼われている「リャマ」が描かれているラベルもあり、静岡と母国への愛が感じられます。
清水産のレモンを使った「清水レモンラガー」は、三保の松原から見える富士山をラベルに描かれています。
口当たりはしっかりとしたラガースタイルで、苦味とモルツの風味を味わいながらも、レモンの酸味をほんのり感じられる絶妙なバランスです。
醸造所のヒストリーや、静岡に対する熱い思いを知ると、GARCIA BREWINGのビールをより一層美味しく味わい深く飲むことができそうですね!
フレディさん達のこだわりが詰まったGARCIA BREWINGのビールを、一度飲んでみてはいかがでしょうか?