京都
創業から90年以上。進化し続ける人気店「梅園」
思わずため息が漏れるほど美しい京生菓子から、日常づかいしたい素朴なおやつまで、バラエティ豊かな和菓子を味わえるのが京都散策における楽しみの一つ。数ある老舗の中でも、昔ながらの味を守りながら新しいアイデアを次々に繰り出しているのが、甘党茶屋「梅園」です。進化し続ける老舗の人気メニューをご紹介します。
思わずため息が漏れるほど美しい京生菓子から、日常づかいしたい素朴なおやつまで、バラエティ豊かな和菓子を味わえるのが京都散策における楽しみの一つ。数ある老舗の中でも、昔ながらの味を守りながら新しいアイデアを次々に繰り出しているのが、甘党茶屋「梅園」です。進化し続ける老舗の人気メニューをご紹介します。
伝統と新しさが共存する6店舗を展開
梅園の創業は1927(昭和2)年。京都の繁華街・河原町の小さな甘味処としてスタートしました。現在は、コンセプトが異なる6店舗を展開しています。
創業時から続く「甘党茶屋 梅園 河原町店」をはじめ、清水店や三条寺町店では、看板メニューのみたらし団子のほか、ぜんざいやかき氷など、昔ながらの甘味が並びます。食べたいものが多すぎて1つに絞れない!という人には、少しずついろいろな甘味が楽しめる「甘味点心(お店によりメニュー名や内容は異なる)」がおすすめです。
3代目の西川葵さんが手がけた「うめぞのCAFE&GALLERY」は、抹茶のホットケーキや黒糖のフレンチトースト、抹茶アイスや黒糖寒天が入ったパフェなど、和テイストのカフェメニューがズラリ。京町家を改装した店内には手作り作家さんの作品が展示され、オシャレな雰囲気も魅力です。
ジェイアール京都伊勢丹内にある「梅園 oyatsu」は、「みたらしバターサンド」をはじめとする和菓子に洋のテイストを取り入れた焼菓子がメイン。あんこや和菓子の新たな可能性を感じるお菓子たちにワクワクします。
甘じょっぱさが絶妙!創業時から続く四角いみたらし団子
そんな「梅園」の代名詞と言えるのが、俵型が特徴的なみたらし団子です。優しい食感のお団子は、近江米の米粉を使用。つきたてを店頭で焼き、自社で丁寧につくられたみたらしのタレにドブンと漬けたら完成です。柔らかくモチモチとしたお団子は、焼き目が香ばしく甘じょっぱいタレがたっぷり絡みます。
「お客様からも“絶妙です!”とお言葉をいただくことが多く、とても嬉しいです。この味を目当てに、長年通ってくださる方や、親子3代で来てくださる方もいらっしゃるんですよ」と話してくれたのは、河原町店スタッフの山口祐一郎さん。
みたらし団子は各店の喫茶スペース(うめぞの茶房・梅園 oyatsuを除く)で味わえるほか、持ち帰りもOK。「持ち帰りなら、残ったタレをアイスクリームやお餅にかけてお召し上がりいただくと、また違った美味しさを楽しめます。さらにきな粉をかけるのもおすすめですよ」と、裏ワザも教えてもらいました!
梅園の原点とも言えるみたらし団子は、今もなお多くの人に愛され続けています。
和菓子のイメージを変える新感覚のお菓子
創業時からの味を守る一方で、さまざまな創作スイーツも発信している梅園。その最新作が、2022年12月に登場した「あんマドレーヌ(みたらし)」です。「梅園oyatsu」の店舗と、梅園オンラインショップで購入できます。
みたらし味なのに、見た目はマドレーヌ。和洋の垣根にとらわれないこちらは、バターを配合したなめらかな生地に、白餡とみたらしのタレを包んで焼き上げたもの。バターの風味と、甘じょっぱいタレ、優しい甘さの白餡がバランスよく組み合わさって、クセになる味わいです。
国産の良品を使って作ること、毎日でも食べられる味であること、たくさんの人に喜んでもらうこと。これが、初代のころから大切にされてきた「梅園らしさ」。時代が変化し、町の様子が移ろっても、「甘いものを食べてホッとしたい」という気分にいつもピッタリと寄り添ってくれる、そんな存在です。