兵庫
洋菓子の街・神戸で懐かしくて新しいスイーツを生み出す「トーラク」
古代から港町として発展してきた神戸。江戸時代末期に開港した後は、国際的な貿易の拠点として外国人居留地が設けられ、いち早く欧米の生活様式が持ち込まれたエリアです。
神戸は独自の洋菓子文化が築かれたことでも知られています。大正時代に来日した職人が本場の技術を持ち込み、日本人の手によって工夫が重ねられました。
そんな神戸で、ゼリーやプリンなどのカップデザートやホイップクリームを製造しているのが「トーラク」です。おみやげや普段使いにうれしいスイーツをご紹介します。
洋菓子の街・神戸生まれの「神戸プリン」
トーラクの前身は1960年に設立された「株式会社カマヤ乳業商会」。1980年代に大阪から神戸へと拠点を移し、1992年に「トーラク株式会社」と社名を改め、現在に至ります。
看板商品は、神戸みやげの代表格として知られる「神戸プリン」。「神戸の街にふさわしいおみやげを作りたい」という熱い想いから生まれた逸品は、今年(2023年)で発売から30周年を迎える超ロングセラーです。
卵と乳製品、砂糖というシンプルな素材の組み合せだからこそ、技術力が問われるのがプリンというもの。「神戸プリン」のトロリとなめらかな口どけと、リキュールのさわやかな後味は、一度食べたら忘れられない美味しさ。モンドセレクションで11年連続最高金賞受賞(2013年~2023年、神戸プリン4個入にて受賞)という快挙を成し遂げたのもうなずけます。
お土産にもらった人が「そうそう、この味!」と、以前食べたときの記憶や、神戸での思い出話に花を咲かせることも珍しくないそうです。
スイーツの可能性を追求。大阪みやげにも挑む
「もっと美味しく」「もっと楽しく」「もっと気軽に」をモットーに、次々と新しいスイーツの開発に取り組むトーラク。新しい分野への進出にも意欲的です。
神戸からほど近い大阪で、おみやげの新たな定番となるべく送り出されたのが「大阪チーズブリュレ」。チェダーチーズのコクを感じる「ふわっ」とした層と、クリームチーズでクリーミーに「とろっ」と仕上げた層の2層仕立てのチーズケーキに、カリカリのカラメルクラッシュを自分でかけて仕上げます。「大阪みたいにクセになる」というコンセプトのとおり、3つの食感が口の中で絶妙に調和し、ヤミツキになる味わいです。
2021年発売とトーラクでは比較的新しい商品でありながら、「美味しくて、見た目もかわいい!」と評判は上々。「食いだおれの街」と称される大阪のグルメ界を、より一層盛り上げる存在になりそうです。
ハイレベル、だけどお手軽な普段づかいのスイーツ
おみやげ菓子だけではなく、普段づかいの商品にも定評があるトーラク。なかでも泡立て済のホイップクリーム「らくらくホイップ」は、袋からしぼるだけで楽しめる人気商品です。パンに塗ったり、お菓子作りの仕上げに使ったりと、アレンジは自在。公式Instagramには、多彩なアレンジメニューが掲載されていて、いろいろ試したくなります。
「スーパーなどで気軽に買えるスイーツも、自信作がそろっています。私のイチオシは『神戸シェフクラブ ロイヤルカスタードプリン』です!」と教えてくれたのは、スタッフの薮内真理子さん。初めて食べたときの感動は忘れられないと目を輝かせます。
「食感がトロトロで、一口目から食べ終わるまで、ずっと美味しいんです。最近は固めのプリンが流行していますが、私はこのトロトロ感が大好きです。お近くで見かけられたら、ぜひ食べてみてください!」
ミルクと生クリーム、卵を独自のバランスで配合し、高級感のある味わいを実現したロイヤルカスタードプリン。別添えのカラメルソースのほろ苦さも、絶妙なバランスです。公式サイトには、地元・神戸が誇る有名店のパティシエが考案したアレンジレシピが紹介されています。 素材の持つ美味しさを、シェフの技術でさらに磨き上げる。洋菓子の街・神戸で生み出されるスイーツは、特別感がありながらもどこか懐かしい味わいです。